三河の住人の庵

享保１４年　岩国

享保13（1728）年6月、将軍徳川吉宗が 発注した象が長崎に到着し、
翌年3月から 陸路で江戸に向かいました。
象は3月25日に下関に上陸して山陽道を 進み、

4月2日に徳山の象小屋に泊まりました
（「御書出控」徳山毛利家文庫　御書 出控7]　山口県文書館　）



享保十四巳酉

一　四月四日。　象〈雄〉壱疋〈高木作右衛門より献上〉御用に付、江戸へ参り候。昨三日、玖珂泊り、今日関戸泊り。往来の小石まで拾ひ候由。ぞう送り役人、黒川永左衛門・福田幸介両人。玖珂天下送り小田市之進、道具挟箱駕籠にて、前後押の足軽四人被差遣候（朱）但、雄象一疋、長さ一丈一尺、毛色濃鼠、耳渡し一尺二三寸、鼻長さ四尺余、牙長一尺六寸、尾垂て如千。飼料いたば葛・姫草・縕頭・芭蕉なり。尚又、像遣ひ等、長崎より三四人付添之事。
一、右往来之節、正理院様、多田称名寺へ御しのびにて御出、御見物被成候。絵師は兼て望にて見物差免。絵本とは違ひ少々有之、新象之絵数々、此時出来る。
（岩国市徴古館　岩邑年代記（二））